内向型人間-社会を変える静かな人の力 [コミュニケーション]
私は長い間、自分の性格について悩んでいました。
子どもの頃から親に「気難しくて育てにくい」と言われてきたことが
原因かもしれませんが、自分の性格が嫌いで受け入れることができませんでした。
消極的で、無口で、静かな環境と単独行動を好み、ひきこもりがち。
なぜ明るくて積極的でポジティブな人間になれないのか?
私はその理由を「努力不足」、「自分はだめな人間だから」と決めつけ、
かなり抑圧的な苦しい時間を過ごしてきました。
そういう自己否定をやめさせてくれたのが、
数年前にTEDで行われていた
スーザン・ケインのスピーチです。
彼女は私が長年社会に対して感じていた違和感、
居心地の悪さの正体を浮き彫りにしてくれました。
賑やかなパーティよりも、一人で読書することを好む物静かな人間--
つまり私のような人間は、内向型だと気づかせてくれたのです。
外向型と内向型の違いは、「心地よいと感じる刺激の度合い」が違うこと。
外向型は刺激に鈍感なので、どんどん積極的に刺激を求めます。
一方内向型は、刺激に対して非常に敏感なので、
読書などの弱い刺激を心地よいと感じます。
その結果、外向型は外の世界に飛び出し、
内向型は内なる世界へと思索の旅に出ることになるのです。
現代社会は、とりわけアメリカ社会が
理想としているのは外向型の人間です。
人々の先頭に立ち、情熱的で声高に主張を発する
リーダーシップが尊ばれています。
スーザン・ケインはTEDのスピーチで、また今年出版したこの本で
そうした風潮に一石を投じました。
この本は32カ国で翻訳され、米国ではベストセラーになっています。
「外向型は本当に理想の存在なのか?」
「慎重で思慮深い内向型はもっと評価されるべきではないのか?」
本書では、今までマイナスの性質だとみなされ、社会から排除されていた
内向型人間の、内に秘めた素晴らしい能力を余すことなく紹介しています。
例えば、クリエイティブな発想やねばり強い持続力、緻密さなど。
ビル・ゲイツやウォーレン・バフェット、アインシュタイン、
ガンジーやルイスキャロルなど、
古今東西の著名人たちも内向型だったというのは
同じタイプの人間にとっては励みになる事実です。
しかし、このような内向型の能力は、
社交的で行動力にあふれ瞬発力のある外向型と補完しあってこそ
素晴らしい成果がもたらされるのだそう。
内向型にとっても、外向型にとっても、本書を読むことは
お互いの能力を最大限に発揮し、より良い人間関係を
築く上でもとても有益なことだと思います。
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(今日の副読本)
10月号の日経ビジネスアソシエの第二特集が
「内向型で行こう」だったので購入。
内向型の性格を活かして成功を収めている
ビジネスパーソンが紹介されています。
日経ビジネス Associe (アソシエ) 2013年 10月号 [雑誌]
- 作者:
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2013/09/10
- メディア: 雑誌
とくに面白かったのが「しゃべらないトップ営業マン」。
営業マンといえば、明るく快活な外向型向け職業のような気がしますよね。
ですが、内向型の強み「傾聴力」を活かした必要最小限のトークで
売り上げトップになったのだそう。
「アイツは無口だけどすごいやつだ」
そんな風に言われるように頑張りたいものですね。
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