SSブログ

貧困のない世界を創る [ソーシャルビジネス]


この本の背表紙を見かけたとき、
何か頭にひっかかるものがありました。

ん? ムハマド・ユヌスって名前、どこかで聞いたような…?


貧困のない世界を創る

貧困のない世界を創る

  • 作者: ムハマド・ユヌス
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2008/10/24
  • メディア: 単行本


そうそう!
以前このブログで紹介した 「最高の授業」を、 世界の果てまで届けよう
著者・税所さんのバングラディッシュでの教育事業を後押しした、
グラミン銀行の総裁ではないですか!

(以前のブログ↓)
http://bookshelves.blog.so-net.ne.jp/archive/c2304327509-1

2006年にノーベル平和賞も受賞された超有名人ですが、
この方が手がける「グラミン銀行」については
不勉強のため、詳しく知りませんでした。

彼はもとは大学で経済学を教える教授だったそうです。
ところがあるとき、バングラディッシュが飢餓に襲われ、
圧倒的な貧困と死を身近に感じながら、
大学でエレガントな経済理論を教えることに虚しさを感じたのだそう。

そこで彼は、貧困の本質を探ろうと農村を訪れます。

懸命に作物を育て、工芸品を編んで売ったり、
どんな種類の仕事も請け負う村人たち。
彼らがあらゆる努力をしても、一向に貧困から
抜け出せないのは、地元の金貸しから
借金をしていたせいです。

地元の金貸しは借金に高い利息を課し、不公平な取り決めにより
村人が作ったものは不当に安い価格で売るように仕向けていました。

これにより、小額でもお金を借りたら、貧困から抜け出せない
構図が出来上がっていたのです。

ムハマド教授はポケットマネーで村の犠牲者たちすべてを救ってあげました。
すると村人たちは大喜び。
その様子を見てムハマド教授は考えます。

 「こんなわずかな金で、そんなに大勢の人を幸せにできるなら、
 もっとやらないわけにはいかないのではないか?」


それが世界で初めてマイクロクレジット(無担保小額融資)を行う
グラミン(村)銀行の始まりだったのです。

グラミン銀行の融資のほとんどは女性を対象にして行われています。
その理由は、現地で村人を観察していないと気づけないようなことです。

 「私たちはすぐに、貧しい女性を信用して貸し付けると、
 男性に貸し付けるよりも、家族に利益がもたらされることに気づいた。
 男性はお金を稼ぐとそれを自分のために費やす傾向があるが、
 女性はお金を稼ぐと家族全員、特に子どもに利益をもたらすのだ。
 したがって、女性に貸し付けることは、結局、家族全員への経済的利益とともに
 地域の共同体全員に社会的利益をもたらし、滝のような効果を引き起こす」


女性や子どもの学費などを中心に支援していくことで、
グラミン銀行は貧困の連鎖を断ち切ることに成功したのです。

貧しい人に無担保でお金を貸すと、利息どころか
元本は返ってくるのだろうか?と心配になりますが、
驚くことに返済率は99%だそう。
「貧者はいつも返済する」
というグラミン銀行にとっての常識は、
既存の金融社会に大きな衝撃を与えました。

バングラディッシュのジョブラ村で生まれた
マイクロクレジットの考えは世界中に広がり、
現在では全世界で一億人以上の手に行き渡り、
多くの人を貧困から解き放っているそうです。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(今日の副読本)


“社会貢献”を仕事にする


困った人を助けながら、生活できるだけの糧を得る。
そんなソーシャルビジネスに興味のある方は
以下の本もおすすめ。

20代、30代で斬新なソーシャルビジネスを手がける
若手の社会起業家が紹介されています。

社会起業家の教科書

社会起業家の教科書

  • 作者: 大島 七々三
  • 出版社/メーカー: 中経出版
  • 発売日: 2010/12/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



一番興味深かったのが、カンボジアの児童買春をなくすため
現地に産業を興し、雇用を創出した「かものはしプロジェクト」の
共同代表、村田早耶香さんですね。

彼女は、カンボジアの母親が
貧困のために子どもを手放さなくても済むように、
職業訓練の機能を備えた工房を設立します。
起業当時、彼女はまだ大学生でした。

 「専門的な勉強や社会経験をしてからでは遅すぎます。
 今この瞬間にも犠牲になっている子どもたちがいるのです。
 学生であっても、動けば一人でも救うことができるのではないか
 という気持ちでやりました」


お金も経験もスキルも人脈も何も無い大学生が、
カンボジアに新たな雇用を生み
子どもたちを保護する活動をするなんて
非常に困難な道のりだったはずです。

「とにかく体当たりで行動すること」
の力強さが伝わってきました。
行動しないことには、何も変わらないですものね。

ちなみに、H.I.Sの「社会起業を学ぶカンボジア5日間」という
スタディツアーで、かものはしプロジェクトが訪問先に
ラインナップされています。
私も参加を前向きに検討中です。
実際にカンボジアでかものはしプロジェクトを見てみたいという方、
一緒にいかがですか?

http://eco.his-j.com/volunteer/tour/vol-20130730


人気ブログランキングへ
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。