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成功する超ニッチビジネスのカラクリ [マーケティング]


一時期話題になりましたね~耳かきエステ。

昔から人気のメイドカフェやリフレや耳かき、添い寝カフェなどは
いわゆるアキバ系といわれる一部の層に需要があります。
こういうニッチビジネスが儲かる仕組みは何でしょうか?

というわけで今回のテーマは「ニッチビジネス」です。


耳かきエステはなぜ儲かるのか?


耳かきエステはなぜ儲かるのか? 成功する「超ニッチビジネス」のカラクリ (講談社BIZ)

耳かきエステはなぜ儲かるのか? 成功する「超ニッチビジネス」のカラクリ (講談社BIZ)

  • 作者: 鬼頭 宏昌
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/06/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


この本、面白かったですよ~。
小資本でできるニッチ&スモールビジネスのアイディアや
運営のノウハウが書かれた本なんですが、視点がユニークです。

まず、アキバ系の耳かきエステがなぜ儲かるのか?
という冒頭の問いに対しての答えは

「渇愛ビジネスの時代がやってきた」

ということでした。

今の時代、多くの方が寂しさや虚しさを抱えてたりするじゃないですか?

一生懸命仕事してても、課長に「バッカヤロォオ!」って怒鳴られたり、
奥さんから「この甲斐性なし!」って愚痴を言われたり。
子どもからもバカにされてしまったり…。

そんな世知辛い世の中ですが、メイドカフェや耳かきエステに行くと
「おかえりなさい、ご主人様」
って丁重におもてなししてくれるわけですよ。

可愛い女の子とのコミュニケーションが楽しめて、
人のぬくもりを感じられる空間なわけです。
これによって寂しさが癒され、自己重要感が満たされるわけですよね。

おそらくリアルが充実している方にはピンとこないと思いますが、
この「丁重におもてなしされる感じ」はけっこう病み付きになりますよ。

非リアな私はこの間、執事が本を朗読してくれるサービス
「朗読執事」にハマってしまいましたし。

マイク.png
 朗読執事、マイクくん。
「奥様、今日は何をお読みいたしましょう?」なんて言ってくれます。


話が逸れましたが、耳かきエステはお客様の乾いた心を潤しつつ、
利益率は72~77%とかなり高めで、
お客様がきちんと入ればかなり儲かるビジネスです。

時間あたりの価格帯はキャバクラ並みでありながら、
女の子の人件費を時給1000円程度と
低く抑えられているのがポイントのようですね。


また本書で語られているスモールビジネスの鉄則のひとつ、
「水平移動」という考え方も使えます。

水平移動とはベンチマークとも言われ、
すでに成功しているビジネスを別の地域にそのまま移動させる
経営手法のことです。

例えば、前々回にこのブログで紹介した、
「発展途上国にDVDに収録した講義を届ける」
というビジネスモデルは、日本の予備校の成功例を
バングラディッシュにそのまま水平移動したもの。

イチから何か作り上げるのではなく、すでに成功したモデルを
別の地域や別のターゲットに向けて行うのは、
即効性のある経営手法で真似したいと思いました。

本書にはこのほかにも、立ち飲み居酒屋や小規模ラーメン店、簡易葬儀屋、
コンサルタント業などを例に、スモールビジネスを成功に導く戦略が
たくさん掲載されています。

起業家を目指す方々にぜひ読んでいただきたい一冊です。

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【今日の副読本】


拡大する高齢市場を掘り起こす!


「ディープな高齢社会」ニッポンで稼ぐ―消費と流通の先を読む

「ディープな高齢社会」ニッポンで稼ぐ―消費と流通の先を読む

  • 作者: 根本 重之
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2013/09/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



今に日本の四人に一人が65歳以上の超高齢社会です。
ますます進む少子高齢化時代に、どんな変化が訪れ、
何が流行るのか?

高齢層の消費の特徴と高齢市場開拓の基本的な方向は?

高齢化の進行によって伸びる市場の積極開拓をしたい方など、
時流に乗って稼ぎたい方におすすめの一冊です。


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世界一ずる賢い価格戦略 [マーケティング]


「私は値段設定や交渉がほんとにへたくそだなぁ」と
落胆する出来事があり、その分野について勉強しなおそうと
積読の山からこの本を引っ張り出しました。


世界一ずる賢い価格戦略

ダン・S・ケネディ著
ダイレクト出版
世界一ずるい.jpg
http://123direct.info/tracking/af/1030094/99YDG02L/


著者のダン・ケネディは、世界屈指の億万長者メーカーで、
マーケティングコンサルタントとして知られています。

驚きなのが、彼の報酬が超高額なこと。 
なんと彼のコンサルティング料金は1日最低128万円!!

「いくらなんでも高すぎじゃないのか」
「誰が買うんだ!」

と思いますが、このサービス、いつも完売御礼で、キャンセル待ちの状態なんだそう。
本書には、そんな「億万長者の価格戦略」が理論編・実践編に分けて記されています。


「ありふれた考え」を捨て去ろう




著者は、「自分はありふれたものを売っている」という考えは、
価格戦略の落とし穴にはまる一番の近道であると警告しています。

今や、世界一ありふれたものである「酸素」ですら、
酸素バーや酸素カプセルで高値で取引される時代です。

また、1ドルの下着と同じ素材の高級下着を喜んで買う人もいます。

驚きなのは、ジャコウネコというネコのフンから採取されたコーヒー豆
「コピ・ルアク」が、世界最高級のコーヒー豆として販売されていることー。

そこらじゅうにある酸素やネコのフンから出てきたコーヒー豆でさえ
高価格で取引される時代。

必要なのは、どんなにありふれたモノでも差別化を図るということと、
高価格をつけたいという強い意志、それを可能にする価格戦略なのです。


狙うはニッチとサブカルチャー


社会は「ニッチ」と「サブカルチャー」の2つに分類できます。

ニッチは職業上のもので、サブカルチャーとは
興味、信条、活動にまつわるグループのこと。

人はなんらかの形で自分のニッチやサブカルチャーに
つながりのあるモノを買う傾向がある
のだそう。

著者いわく、ニッチやサブカルチャーへの帰属意識が高ければ高いほど、
関連商品を差し出された際、価格のことが気にならなくなるとのこと。

不特定多数をターゲットにした商品を、特定のニッチやサブカルチャー向けとして
売り出すだけで、価格弾力性がどんどん広がっていくのです。

ターゲットの絞込みと、
「この分野に関しては価格はいとわない」
という大事なポイントを見極めることが、価格戦略の中でも最も重要なことのひとつです。


あなたにとって「最高の顧客」とは誰か?


あなたにとって最高の顧客は誰でしょうか?

実際のところ
「お金さえ払ってくれれば誰でも大歓迎!」
と思ってしまうことってありませんか?

ですが、あなたにとって最高の顧客が
どんな人物であるか理解できていれば、
具体的な人口統計データに基づいて、
特定の地域から一番適した顧客をピックアップし、
狙いを定めてマーケティング費用を投資することができます。

「安ければなんでもいい」
という価格重視の顧客を相手にしていると、
ライバルとの価格競争に巻き込まれて
誰彼かまわず「価格最安値」を大声で叫ぶはめになり、疲弊してしまいます。

最高の顧客だけを相手にビジネスする。

この手法は、以前このブログで取り上げた
「フォーカル・ポイント」でも
「半分の労働時間で、生産性を倍にする」方法として
紹介されていました。

新規開拓する際も、自分にとって最高の顧客になる層に
効果的にアピールしていきたいですね。


参考:

フォーカル・ポイント

フォーカル・ポイント

  • 作者: ブライアン・トレーシー
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2009/10/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)




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ディズニーランドに学ぶ価値をお金に換える仕組み [マーケティング]


昨日ハロウィンイベント中のディズニーシーに行ってきました。
いや~素晴らしい。ホント時間がたつのを忘れますよね。

日が暮れてからの美しさはまるで外国に来たかのようだし。

IMG_3778.JPG

あー誰かスターライトチケット買って
夜のデートに誘ってくれないかな…。

こんな夜景を眺めながら散歩したり、
お酒を飲めたら最高じゃないですか、ねぇ?

というどうでもいい前置きはこれくらいにして、
今回はディズニーの魅力をマーケティングの観点から
解明していきます!


ディズニーランドの収益の内訳は?


売り上げ構成比.png

            TDRの売上構成


ディズニーの顧客単価は9220円という素晴らしい数字ですが、
内訳を見て見ると、実は、チケット収入は44%程度で、
売り上げの過半数を物販と飲食で稼いでいるんです。

そのための仕掛けのひとつが、
「アトラクション乗り放題」ということ。

乗り放題のフリーパスポート制のため、
入場者は気兼ねなしに長居できますよね。
そのため滞在時間が長くなり、
食事需要が発生して飲食でお金を使うことになります。

TDRの平均滞在時間は、なんと8.4時間。
8時間もいれば、まず2食はとりますよね。

おまけに、行列に並んでいるとちょうどよいところに
ポップコーンや飲みものを売っている屋台があったり、
ファストパスという整理券に指定された時間まで
お茶を飲みながら待ったり…ということもあるでしょう。

実は、TDRのアトラクションは全施設の1/3で、
残りの2/3は物販店と飲食店。

これまで意識したことありませんでしたが、
確かに、お土産屋さんやレストランやカフェ、多いですよね。

とくにアトラクションの出口に設置されたお土産屋さんは、
アトラクションを体験した興奮冷めやらぬままに訪れますから、
思わずキャラクターグッズに手が伸びたり、
子どもにねだられて記念にと
購買するケースが多いのではないでしょうか。


ディズニーの仕掛け:

シーズンごとのイベントで「鮮度」を保つ

IMG_3779.JPG
(↑ディズニーハローウィン限定のパレードの写真です)

アトラクションを新設することはそう簡単にできませんが、
イベントなら数ヶ月ごとに変化をつけることができるため、
リピーターを惹きつける要因のひとつになっています。

「春はイースター、夏は夏祭り、
 秋はハロウィン、冬はクリスマスイルミネーション」

という風に、季節に応じてパレードの中身やパーク内の飾りつけ、
キャラクターの衣装やお土産のデザイン、
レストランのメニューまで変える事は、
他のテーマパークにはなかなか真似できません。
これもTDL独自の強みといえるでしょう。

とくにクリスマスシーズンは、イルミネーションをふんだんに施した
幻想的で豪華な夜のパレードが大人気です。

夜のパレードは20時から行われるため、遠方から訪れている人は
泊りがけでショーを見に来ることになります。
当然、オフィシャルホテルへの宿泊需要がアップしますし、
「遅くなったから夕飯も食べていこうか」
となりやすいですよね。

このように無料の集客装置と絡めて
顧客単価をあげる仕組みが効果的で
お見事としか言いようがありません。


ディズニーランドのベネフィットは何か?


東京ディズニーランドの入園者は年間2750万人で、
リピート率は脅威の97%
だそうです。
なぜ人はTDLに魅了されるのでしょうか?

「家族や恋人と、現実世界から離れた
夢のように楽しい時間が過ごせる」



というほかのテーマパークでは代替しがたい
付加価値があるからだと思います。

アトラクションやショーは魅力的だし、大好きなキャラクターに会えるし、
パーク内はきれいだし、キャストは皆礼儀正しく親切で、
不快な思いをさせられることはまずありません。


つらい現実に遭遇したときに、童心に帰って没頭できる夢の世界。
だから良い年をした大人が、ミッキーの耳のついたカチューシャをつけて
着ぐるみを追い掛け回したり、競い合うようにテディベアを買い込むというような
ちょっと異様な光景が当たり前のように見られます。

「非日常的な楽しい夢の世界」
というベネフィットを与えることで、
顧客に喜んでお金を使ってもらう 仕組みを構築したTDL。
その徹底したマーケティングに学ぶ部分はまだまだ沢山ありそうですね!


もっと詳しく知りたい方はこちら↓


【伝説のマーケターがディズニーのやり方を教えます】

ディズニー、NTTで実践した 「感動とリピート」のマーケティング

ディズニー、NTTで実践した 「感動とリピート」のマーケティング

  • 作者: 渡邊 喜一郎
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2013/08/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


【マーケティングのイロハから学びたい方におすすめ】

ドリルを売るには穴を売れ

ドリルを売るには穴を売れ

  • 作者: 佐藤 義典
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 2006/12/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 


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