世界が欲がる人材とフリー大学の戦略 [グローバル]
今日のテーマは「世界が欲しがる人材」です。
世界1500メディアから記事を厳選している“世界標準マガジン”
クーリエ・ジャポンの今月号の特集は、
「そして、理系が世界を支配する」でした。
COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2013年 11月号 [雑誌]
- 作者:
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/09/25
- メディア: 雑誌
文系の私ですが非常に興味深い内容でした。
ざっくりと要約すると、理数系の天才たちが編み出した
アルゴリズムが支配している中で世の中で、
データを分析するスキルを持った人材が圧倒的に不足しているとのこと。
米国では「今世紀もっともセクシーな職業は
『データ・サイエンティスト』」と評され、
ビッグデータを扱うスキルを持った人材の争奪戦になっているそうです。
こうした流れを受けて、ハーバード大学の学生たちの
急激な「文系離れ」も加速しているとのこと。
最近ではヒットする映画作りや
コピーライティングといったクリエイティブな分野にまで、
アルゴリズムが参入してきているのですから、
私たち文系人間はぼやぼやしていたら
駆逐されてしまうかもしれません。
いまからバリバリのデータ・サイエンティストを目指すのは難しそうですが、
統計や数学、科学、行動学などを毛嫌いせずに学びなおし、
「文理平等」な人材を目指したほうが良さそうです。
ところで、「優秀な人材の争奪戦が加熱している」という記事から、
アメリカ系人材コンサルティング起業が人材集めのために
行っている「フリー大学」という戦略を思い出しました。
慈善授業と思われがちなフリー大学ですが、
あれは意識の高い優秀な若者たちを、
安定的に、大量に確保するための
ビジネスモデルのひとつなのです。
-Free Universityの戦略-
無料で講義を受けることができる「フリー大学」は
どのようなビジネスモデルに基づいているのでしょうか?
以下は 決定版・ニッポンのグローバル人財教本からの引用です。
実は、エマージング・マーケットに企業が進出した場合、
まず大変なのが現地における優秀な人材の確保です。
なぜならばエマージング・マーケットでは
高等教育を受けたことのある若者の人数が少なく、
人材が決定的に不足しているからです。
この問題を解決すべく、本書に登場する人材コンサルティング会社は
上昇志向の強いエマージングマーケットの若者たちに向けて
「フリー大学」の授業をオンラインで提供することにしました。
彼らの学業成績や就業態度はすべてオンラインで管理され
データベースの中に蓄積されていきます。
そしてこのデータベースは、フリー大学を支援する
人材コンサルティング会社へと引き渡されます。
先進国の企業がエマージングマーケットに進出しようとしたときには、
大抵人材不足に悩みます。
とくに新拠点の基幹要員を集めることは容易ではありません。
そこで、この人材コンサルティング会社の出番です。
「お困りならば、良いデータベースがありますよ」
こうしてデータを高い値段で売りつけるのです。
低廉な労働力を抱えるエマージングマーケットへの
企業進出は加速度的に進んできています。
そこでの優秀な人材の奪い合いは熱を帯びるばかり。
少子高齢化を背景とした我が国企業による
海外進出は続く一方なのですから、
第一線で活躍できる人材として、また経営者として、
理系のセンスとグローバルな視点を持ち続けたいものですね。
人気ブログランキングへ
コメント 0