すべての失敗は41個に分類できる! [ナレッジマネンジメント(失敗学)]
手当たり次第に本を借りたり買いあさったりしているうちに、
なぜか「失敗」に関する本が集まってきました。
これが引き寄せの法則か…。
というわけで、今日のテーマは「失敗の本質」。
失敗とは何か!?ということを考えてみます。
人は誰でも同じような失敗をする
この本は読み応えがありますよ~!
筆者は、機械のエンジニアに関係する事故や事件を200例近く集めて、
すべての失敗が41個に分類できることを発見したのだそう。
しかも、日常生活の失敗でも大事故と類似点があり、
過去の事故の知識から上位概念を取り出すことで、
日常の失敗予防にも応用できるのだとか。
たとえば、テロリストにより攻撃された世界貿易センタービルは、
世界中の人々が注視するなか、あっけなく崩壊していきました。
その原因は「鳥かご構造」を採用したことによる脆弱構造。
一部の不良で全体が崩壊するという構造が招いた惨劇だったのです。
また、映画にもなった有名なタイタニック号の大惨事を招いた
一番の原因は「救命ボートの不足」。
大型客船沈没という事例は他にもありながら、
「逃げる手立てがない」という致命的な失敗が
甚大な被害者をだすことに繋がりました。
このように、世界中のあらゆる事故の類似点の集まりが「失敗百選」。
本書を読んで、あらゆる失敗のシナリオと共通点を収集すれば、
「あれ、これはあのケースと似てる…」
と自分の失敗を回避することにも役立つかもしれません。
さて、失敗の本質を考えるといえば、この本も忘れてはなりませんね。
日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ
「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ
- 作者: 鈴木 博毅
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2012/04/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
言わずと知れた組織論のロングセラー『失敗の本質』のダイジェスト版です。
大東亜戦争時の日本軍の「戦い方」を引き合いに出しながら、
現代のビジネスに活かせる23のポイントを紹介しています。
面白いのが「イノベーション創造の3ステップ」という考え方です。
大東亜戦争では、日本にとって有利な指標があれば、
アメリカがそれを覆す新たな指標を作り出し、
形成を逆転させるということがたびたび起こりました。
たとえば、米軍のF4Fが単機では零戦に勝てないという
状況を打破したのは以下のようなステップを行ったためです。
STEP1:「既存の指標」の発見
零戦が強いのは「旋回性能」という指標を発見します。
STEP2:敵の指標の「無効化」
F4Fは二機一組で零戦と対峙することで
零戦の旋回性能を無効にしたのです。
STEP3:新たな指標で戦う
二機を一組とする連携性により、
米軍が空戦の優位を取り戻しました。
このように、今市場を支配している「既存の指標」があれば
それを無効化し、凌駕する新たな指標を生み出せばいいです。
ジョブズがウォークマンを圧倒的に凌駕するipodビジネスを生み出したのも
同じ手法でイノベーションを起こしたから。
プレイヤーとして戦うのではなく、ゲームのルールそのものを変えてしまう
イノベーションの3ステップをぜひ活用したいものですね。
最後に、対人関係の失敗が怖いあなたに、この本もご紹介。
不安と生きるコミュニケーション術
- 作者: 小島 慶子
- 出版社/メーカー: ベストセラーズ
- 発売日: 2013/07/20
- メディア: 単行本
巷のコミュニケーションの本が「失敗しないこと」を
目標にしているのに対して、本書は
「コミュニケーションは不安を前提とし、失敗から始まる」と
定義しているところが他と一線を画しています。
他人と自分がもっている「歪み」を冷静に見極めるための
観察力を養うことがコミュニケーションスキルの向上に
繋がるという提案も斬新でした。
失敗をおそれて萎縮してしまいがちな人や、
自分の意図に反して周りに合わせてしまいがちな人に
ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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